玄関アプローチ

玄関アプローチ

2022/10/20

単位空間 アプローチ・玄関・出入口

家の内と外とをスムーズにつなぐため高低差に配慮

 バリアフリーが必要なのは屋内だけではありません。屋内外の出入りの際にバリアがあると、高齢者は外出が億劫になりがちです。家に閉じこもらず地域と関わるためにも、屋内から屋外・道路へと安全に自由に外出できる環境を整える必要があります。バリアフリーを計画する際、家の内と外をスムーズにつなぐ必要があるため、先ずは道路から玄関アプローチについて考える必要があります。

 ■アプローチのバリアフリーの注意点と福祉用具の配置例(あくまで一例です)

 ・郵便受け/インターホン(車いすユーザーが利用する場合は設置高さを低く)

 郵便受けの種類(郵便物の出し入れは玄関内か外かで防犯にも影響)
 ・インターホンは音が聞こえているか要確認(高齢者は難聴で聴こえない可能性を考慮)

 ドアの開閉、施錠の方法(とくに車いすユーザーなどは自動開錠・施錠システムを検討)

 ・玄関ポーチの広さいすと介助者がいる場合、スペースは十分かどうか

 ・外部手すり(金属製は夏は熱く冬は冷たくなるため樹脂製を検討)

 ・折りたたみいす、スタンディングリフト、昇降機等による段差解消を状況に応じて検討
 人感センサーライト防犯カメラを設置して防犯にも合わせて配慮
 側溝杖や歩行器引っ掛かると危険なため、穴カバー等で塞ぐことを検討
 凹凸のある敷石のアプローチは石の隙間でつまづいたり杖が引っ掛かって危険なため、コンクリート舗装等を検討


日本の住宅特有の高低差

 日本の住宅は、欧米と異なり床高や玄関の高さが屋内外の出入りで問題となります。最近では住まいのメンテナンス性能向上のため、しっかりと床下空間を確保することが求められるため、地面と1階床の高低差がより大きくなりがちです。

 ・歩行、車いす等、いずれの場合でも、地面は固く舗装されていて平らな方が、安全で確実な移動ができます。
 ・室内階段は蹴上(けあげ)23㎝以下、踏面(ふみづら)15㎝以上と基準法で決まっていますが、ポーチ階段では使いづらいため、蹴上1218㎝踏面は30㎝にすると安全性も高くタイルの寸法上施工もしやすいという利点があります。
 ・段差は、移動方法に合わせて階段・スロープ・段差解消機など高低差を解消する方法を検討します。

車いすで複数の高低差に対応する考え方

 以下は複数の高低差がある場合に、道路から室内までの間に大きな段差を1カ所だけ設けて、他の段差を抑えるという考え方です。1つの大きな段差に対しては「スロープ」「段差解消機」の設置を検討します。

●玄関の外に大きな段差を1カ所設ける方法
 ・道路から駐車場、敷地までの段差をできるだけ小さくします。
 ・ポーチ部分のみに大きな1つの段差を設けます。その段差は、段差解消機あるいはスロープを設置して解消します。
 ・ポーチから室内までの段差をできるだけ小さくし、移動しやすくします。

●玄関内に大きな段差を設ける方法
 ・道路から駐車場、敷地、ポーチ、玄関までの段差を抑えます。
 ・玄関内の大きな段差に対し、段差解消機を設置して解消します。
 ・段差解消機を設置する場合は、テーブル(昇降台)の大きさと玄関の広さを調べて、靴を脱ぐ場所や、昇降するときの安全性を考慮して設置しましょう。

車椅子のためのスロープ勾配

 車椅子の場合に問題無く出入りするためのスロープ勾配は1/12から1/15以下の確保が必要ですが、例えば高低差50㎝の場合には6~7.5mの距離が必要となり、さらに両端に平らな場所が必要なため10~12mの通路スペースが必要です。
 しかし、現実的には確保が難しい場合も多く、玄関を使わず庭を回る別ルートを検討したり、段差解消機を設置による問題の解消が考えられます。
 また、いきなりマニュアルアル通りの数値で施工するのではなく、必ず事前に利用者が試すことが重要です。
   

⇒さまざまな段差解消の方法