トイレの基本
トイレの自立(律)は人の尊厳さえも左右
若く元気なうちは、トイレでの排泄はごく短時間で終わっても、高齢者や障がい者はそうとは限りません。
・歳をとって身体が不自由になったとしても、トイレには自分一人で行き、人の手を借りずに自分で済ませたいものです。
大袈裟と思うかもしれませんが、排泄は人の尊厳を左右するため、トイレの改修は大変重要です。排泄方法をしっかり確認し、必要な広さや設備、機器等を整備することが非常に大切です。
・トイレの使い方は排尿と排便で異なります。それぞれの方法をしっかり聞き取り、関連する動作や使用する機器等をしっかり確認してプランを検討することが重要です。
・支援者や設計者が介助で済ませれば良いと考えてしまうと、介助による生活になってしまいます。できるだけ自立を目指す支援を考えましょう。
トイレでの立ち座りに必要な前面スペース

※手すり等の取付位置や各種寸法はあくまで一般的な目安です。必ず利用者に適切か何度も試しましょう。

排泄する場所(トイレ・寝室)
歩行でも車椅子でも、排泄する場所や姿勢を確認し、便器へのアプローチ方法、立ち座り方法や移乗方法を考えましょう。
寝室等にポータブル便器を置くなどの方法もありますが、できるだけ「トイレ」での排泄を検討し、寝室での排泄は、身体的・環境的問題によりトイレで排泄できない場合の最終手段と考えましょう。
着衣や脱衣を行う場所(立位で、便器に座って、車椅子上の場合など)も考慮します。
●車いすの場合
①トイレで便器へ移乗し座位にて排泄
・排泄動作を安定して行える座位姿勢を確認しましょう(端座位・長座位)。
②トイレで座位(シャワーキャリー)にて排泄
・座面が広く開いているため、シャワーキャリーに座ったまま後ろ向きで洋式便器に近づき、便器へ移乗せずに排泄できます。
・トイレへの移動には介助が必要です(段差やドア幅等を確認)。
・長時間(排泄に要する間)の座位が可能か確認しましょう。
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③寝室で座位(ポータブル便器)にて排泄
・車椅子と同じ方法で移乗できるようにポータブル便器を配置します。
・座位姿勢に合わせて座面やアームサポートの高さを調整でこるものを選択しましょう。
・排泄物の処理方法や臭い対策も検討しましょう。
④寝室(ベッド)で臥位にて排泄 ※臥位(がい)・・・
・カーテンなどでベッド周辺を仕切る等の配慮が必要です。
・排泄後の処理方法や臭い対策も検討しましょう。