庭いじりや家庭菜園を楽しみたい

庭いじりや家庭菜園を楽しみたい

2025/08/04

単位空間 その他(単位空間)

足腰にやさしい楽しい庭づくり

「庭いじりや家庭菜園を、もっと楽に楽しみたい」というご要望は、シニア世代にとって非常に多く、リフォームによって生活の質(QOL)を大きく向上できる可能性があります。お客様へのご提案の際には、単に商品を並べるのではなく、「これがあれば、こんな風に楽になりますよ」「この悩みは、こうすれば解決できます」というように、お客様の未来の姿を想像させるストーリーでお話しすると、より響きやすくなります。

 工務店として、安全性・快適性・持続性の3つの観点から、以下のような具体的な提案が考えられます。

身体への負担を劇的に減らす提案例

 一番の課題である「かがむ」「立つ」「運ぶ」といった動作の負担を軽減します。

●立ち上がり花壇(レイズドベッド)の設置

 花壇をレンガや木材で腰の高さ(約6080cm)までかさ上げします。車いすをご利用の方には、膝が入りやすいよう足元の開いたテーブル型の花壇を提案します。
 かがんだり、膝をついたりする必要がなくなり、立ったまま、あるいは椅子に座ったまま楽に作業ができます。腰痛や膝痛の予防・軽減に直結します。

●ガーデンシンク(屋外用流し台)の増設

 庭の一角に、深さのあるスロップシンクと、握力の弱い方でも操作しやすいレバー式水栓を設置します。室内から重いジョウロを何度も運ぶ必要がなくなります。
 収穫した野菜をその場で洗ったり、汚れた道具をきれいにしたりするのも非常に楽になります。

●収納付きガーデンベンチ

 庭の雰囲気に合わせた木製や樹脂製のベンチを設置し、座面の下を園芸用品の収納スペースにします。隣に作業用のカウンターを設けることも可能です。
 ちょっとした休憩はもちろん、座りながら植え替えなどの作業ができます。道具がすぐ手に取れる場所にまとまり、探す手間も省けます。


安全とアクセス向上の提案例

 庭への移動や作業中の転倒リスクをなくし、安心して庭に出られる環境を作ります。

●庭へのアプローチ改善

 室内から庭への段差に、緩やかなスロープや幅の広いステップ(踏み面が広い階段)を設置します。必要に応じて手すりも取り付けます。つまずきや転倒を予防し。車いすや歩行器の利用も可能にしましょう。

●滑りにくい地面に舗装

 土がむき出しで雨の日にぬかるむ通路などを、透水性のインターロッキングブロックや、滑り止め加工されたタイル洗い出し仕上げのコンクリートなどで舗装します。雨上がりでも足元が汚れず、滑って転ぶ危険が大幅に減少します。雑草も生えにくくなるため、草むしりの手間も省けます。

維持管理の手間を省く提案例

 水やりや雑草対策など、日々の面倒な作業を自動化・省力化します。

●自動散水システム(スプリンクラー・点滴チューブ)導入

 タイマーを設定し、決まった時間に自動で水やりをしてくれるシステムを設置します。植物の根元に直接水を与える点滴チューブは、水の節約にもなります。毎日の水やりの手間から解放されます。夏の暑い日中の作業や、旅行中の水やりの心配もなくなります。

●防草シートの活用

 花壇以外のエリアに防草シートを敷き、その上から砂利やウッドチップを敷き詰めます。悩みの種である雑草取りの重労働が、ほぼ不要になります。庭の見た目もすっきりと美しく保てます。



快適な空間を創出する提案例

 作業するだけでなく、庭を眺めて楽しむ「癒しの空間」としての価値を高めます。

●日よけ(パーゴラ・オーニング)の設置

 休憩スペースや作業スペースの上に、藤棚のようなパーゴラや、開閉式のオーニング(日よけ幕)を設置します。夏の強い日差しを避け、熱中症のリスクを減らしながら快適に庭で過ごす時間が増えます。軽い雨なら作業を続けることも可能です。

●リビングから続くウッドデッキの設置

 リビングの窓から段差なく出られるウッドデッキを作り、そこにプランターを置けるスースを設けます。部屋の中から庭を眺めるだけでなく、「庭の中のリビング」として、お茶を飲んだり読書をしたりする新しい楽しみが生まれます。



提案のポイント
●ヒアリングの徹底
 まずは「どんな作業が一番大変ですか?」「庭でどんな時間を過ごしたいですか?」といったヒアリングを丁寧に行い、お客様一人ひとりの身体の状態や理想の暮らしに寄り添うことが重要です。

●トータル提案
 「立ち上がり花壇」と「ガーデンシンク」、「アプローチ改善」をセットで提案するなど、組み合わせることで相乗効果が生まれ、お客様の満足度も高まります。

●スモールスタートの推奨
 ご予算に応じて、「今年はまず、一番大変な部分の立ち上がり花壇から始めませんか?」というように、段階的なリフォームを提案するのも有効です。