シニア世帯の防犯対策①(建物周り篇)
財産を守るよりも命を守るための防犯
警察庁によると、2005年~2021年まで減少傾向にあった住宅への侵入強盗が、2022年以降は増加に転じたそうです。しかも、昨今のニュースでも報じられているように、侵入強盗の手口が凶悪化しており、留守中だけでなく在宅中の住宅に押し入り、わずかな金品のために高齢者が重傷を負わされ、または命を奪われる事件が何件も発生してます。
もともとシニアの多くが犯罪のターゲットになりやすい傾向があるだけでなく、近年はシニア世帯の増加とともに、周囲から孤立した一人暮らしのシニアも増え、いまや財産を守ること以上に、住む人の命を守るための防犯の重要性が高まっています。
しかし残念ながら、自社の建てた家、リフォームした家で犯罪が行われる可能性を意識していないビルダーや工務店が少なくないのも事実です。
このような時代だからこそ、とくにシニア世帯の防犯には十分配慮し、住む人を危険から守る安心・安全な家を提案・提供することがお客様にとって大きな説得力を持つことになり、お客様からの信頼につながります。
狙われる家と狙われない家
犯罪者がターゲットを選ぶ際は、建物だけでなく周囲の環境も重要な要素であり、以下の三点を重視すると言われます。
・ 下見しやすい
・ 犯行を行いやすい
・ 逃走しやすい
地域のビルダーや工務店はこれらを考慮し、犯罪者が、 入りにくい・入れない・入りたくない家を提供・提案することが望ましいと言えます。
もし、現在の家が被害に遭いやすい家ならば、被害に遭いにくい家にリフォームするよう提案し、新築ならば初めから狙われにくい家を提案する、もしくはいずれそのような家にリフォームしやすい家を提案するべきでしょう。
侵入者の弱点をつく防犯対策は以下の4つ。
・「目」(記憶・記録を利用した対策=人目につきやすくする・防犯カメラ etc.)
・「音」(音を利用して侵入を阻む対策=防犯アラーム・番犬 etc.)
・「光」(光を利用して侵入を阻む対策=照明灯・センサーライト etc.)
・「時間」(侵入に時間をかけさせる対策=ピッキングに強い鍵・防犯ガラス・防犯フィルム・CPマーク付建物部品 etc.)
《住宅周り防犯チェックポイント》
□ 盗られるものがないから侵入されても心配ないと思っていないか?
(昨今ではわずかな金品のために暴行され命さえ奪われる凶悪な事件が多発)
□ 家の前や横に空地・公園・空家がないか?
(そこに居座って下見されやすく、格好のターゲットになりやすい)
□ 高い塀や生垣などで外から敷地内や玄関が死角になっていないか?
(敷地内の見通しが悪いと侵入者が時間をかけて下見や犯行を行いやすい)
□ インターホンは門扉横についているか?
(玄関横だと敷地への侵入を許してしまう。モニター型・録画型が有効)
□ 監視カメラはついているか、犯人から見えにくい位置に設置していないか?
(むしろ犯人に目立つ位置に設置して威嚇する。向かい合わせに複数設置が効果的)
□ カーポート、物置、面格子、室外機が屋根や2階への侵入の足場になっていないか?
(雨樋を伝ってバルコニーに登ったりもできるため注意が必要)
□ バルコニーが壁タイプで外から見えない造りになっていないか?
(犯人が潜んだり待ち伏せできないよう内側の見える格子タイプがよい)
□ 窓に頑丈な格子やシャッターがついているか?
(侵入者の半数以上が窓から。ガラスを割って鍵を開けて入る手口が最も多い)
□ 玄関は1ドア2ロックか、窓にも補助錠をつけているか?
(二重鍵は別種のものを離れた位置に付けるのが時間を稼ぐ上で効果的)
□ 玄関ドアの鍵近くがガラスになっていないか?
(ガラスを割ると簡単に手が入り鍵を外せる)etc.
侵入をあきらめさせる水ぎわ対策
誰でも敷地内へ簡単に出入りできないよう門扉・フェンスやインターホン(モニター付)などを設置しましょう。インターホンは玄関口まで入らせないよう玄関ドアの横ではなく門扉につけた方が効果的です。門扉などの死角にならないように、玄関の鍵の位置はなるべく高い位置にあった方が安全です。
また、庭木が窓の前にあるなどして見通しが悪いと、侵入者が身を隠す場所となる可能性があります。プライバシーを守るための目隠しのつもりが侵入者の手助けとなってしまっては意味がありません。周囲からの見通しが悪くならないように低目の植栽を選び、伸びすぎないようこまめに手入れをしましょう。
そのほか、カーポート、物置、エアコンの室外機などが2階のバルコニーや屋根への足場になっていないかにも留意しましょう。敷地内に侵入すると音が立つ砂利などを敷くのも有効です。
【人感センサーライト】
人の熱に反応して点灯するライトです。玄関や駐車場、とくに被害の最も多いベランダの掃き出し窓からの侵入を防ぐのに効果的です。侵入者を威嚇し、犯行をあきらめさせる効果があります。
【防犯カメラ】
防犯カメラは隠れた位置ではなく、外部から見える位置に設置することで、侵入しにくい家であることをアピールできます。死角が発生しないよう、複数のカメラを取り付けると同時には潰せないため効果的です。
【見守りカメラ/見守りサービス】
シニアの一人暮らしの防犯対策のひとつに見守りカメラの設置があります。自宅の映像をご家族が遠方からスマホ等で確認できるシステムは、健康状態や生活状況の見守りだけでなく、不審者の侵入をカメラが感知して知らせてくれるもの、マイクとスピーカー付のカメラでご家族が遠くから必要なときに声掛けできるものなどもあります。
また、介護会社や警備会社等の見守りサービスを利用する方法もあり、緊急時に通報ボタンを押せばすぐにガードマンが駆けつけるサービスなどもあります。